今日の中日新聞から
「被災地の力に」思い同じ 広がる聴覚障害者のボランティア活動
https://www.chunichi.co.jp/article/726624?fbclid=IwAR37ZckAheXszysMXJEC2k7LUXtUNn5R3mHRUWVCsR_aj_BlOfS9d3nfi6w
上記URLから引用させていただきます。
聴覚障害者が災害発生時に被災地に赴き、被災者を手助けしたり、手話通訳者と連携したりして、ボランティア活動の場を広げている。同じ障害者らの「力になれる」との思いがある一方、支援活動への参加を断られることも。専門家は障害者が参加しやすい環境を整えるためにも平時から関係者間での話し合いが必要だと指摘する。
■九州へ 西日本へ
「大丈夫ですか」。二〇一七年の九州北部の豪雨。福岡県聴覚障害者協会のボランティアが避難所を訪れ、聴覚障害がある被災者に手話で語りかけた。これに対し被災者は手話で「避難所にいても情報が入ってこない。普通の生活に戻りたい」と不安を訴えた。
同協会の太田陽介事務局長(65)は「直接出向き、話すだけでも力になれると気付いた」と振り返る。
一八年の西日本豪雨では広島県ろうあ連盟がボランティアセンターを立ち上げた。四年前の一四年に広島市で土砂災害が発生した際は、被災者との意思疎通に不安があり団体としての活動を見送ったため「今度こそ」という思いがあった。
連盟職員だった横村恭子さん(65)らが、交流サイト(SNS)でボランティアを募集。聴覚障害者を中心に他県からも参加者が集まり、約三カ月間で延べ約三百八十人を送り出した。
被災地では、聴覚障害者約二十人と数人の手話通訳者のグループをつくり、住宅の片付けに当たった。聴覚障害者と分かると戸惑う人もいたが、何度も顔を合わせるうちに打ち解けた。「手話を教えてほしい」と声をかけられることも増えた。
■平時の準備 大切
一方、聴覚障害がネックとなり、ボランティア活動に参加できなかったケースも出ている。ある県の聴覚障害者団体は、自治体に活動参加を打診すると「どう対応すればいいのか分からない」と断られた。
災害時のボランティア活動の多くは社会福祉協議会(社協)が調整を担っている。西日本にある社協の担当者は障害者や障害者団体から申し出があった場合「可能な範囲で仕事を割り振る」としながらも「実績がなく、災害現場ですぐに対応できるかは分からない」と打ち明けた。
横村さんは「障害があるからできないと思わずに、どういう方法なら可能なのか聞いてほしい。障害があっても力になりたいという気持ちは同じ」と語った。
災害ボランティアに詳しい立木茂雄同志社大教授(福祉防災学)は「平時から関係者で話し合い、災害時にコミュニケーションを取るための準備を進める必要がある」と指摘。コミュニケーションを阻まないための環境整備はあらゆる障害に共通する課題とした上で「まずは当事者が参加したいと声を上げることが、解決につながる一歩となる」と話した。
最近のコメント