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2021/02/17

「教育について語りたい」 今井絵理子議員が目指す障がい者教育・聴覚障がいの秘書と考える国会の100%バリアフリー

聴覚特別支援学校の先生はみんな手話が使えると思っていませんか?
https://www.fnn.jp/articles/-/141624?display=full
去る2月9日のFNNプライムオンラインに掲載されたので、
下記に引用させていただきます。

参議院議員の今井絵理子さんは、聴覚障がいのある長男を育ててきた。「教育について語りたい」という今井さんに、障がい者教育のこれからと国会のバリアフリーについて聞いた。

「子どもに音の世界を知ってもらいたい」
――今井さんは聴覚に障がいのあるご長男を育ててきた中で(※) 様々な困難があったかと思います。
今井氏:
息子が聞こえないということを知ったのは生後3日目のことでした。「どうして私の子が」…障がいのある子どもを育てるほとんどのお母さんが経験する大きなショックを受けました。しかし、落ち込んでばかりもいられません。補聴器、人工内耳、口話法(口の動きを読み、発音を訓練する方法)に手話…。この時、私は聴覚障がいに関する知識や情報をほとんど持っていませんでした。
(※)今井礼夢さん(16)先天性難聴という障がいを抱えながら中学を卒業後、2020年12月にプロレスラーとしてデビュー。

――健常の親にとっては、すべて一から学ばなければいけませんね。
今井氏:
聞こえない子どもの親の約9割は聞こえる親です。ですから、親には「子どもの声を聞きたい」「子どもに音の世界を知ってもらいたい」という気持ちがあります。私も例外ではなく、音声言語を獲得して欲しいと言う気持ちから、口話法を習得するための施設に3年間通いました。
しかし、後に息子の耳に人工内耳(※)が適用できないことがわかり、手話言語の獲得を目指すことになりました。今振り返れば、あの時に十分な知識や情報をもとに選択できる環境が整っていれば、もっと安心できただろうなと思います。
(※)聴覚障がい者の内耳の蝸牛に電極を接触させて聴覚を補助する機器

特別支援学校が大きなハードルになる
――ご長男は何歳から学校に行き始めたのですか?
今井氏:
3歳の時にろう学校の幼稚部を訪れたのが最初です。そこで手話と出会いました。聞こえないお友達とコミュニケーションを重ねることで、手話はどんどん上達していきました。手話言語の獲得により、息子と意思疎通ができるようになったことは大きな光でした。小学生になると、いよいよ学校では勉強が始まります。これは聞こえない子どもにとってとても大きなハードルです。

――小学生になることが大きなハードルなのですか?
今井氏:
皆さん、聴覚特別支援学校の先生はみんな手話が使えると思っていませんか?私は専門的な知識を持った先生がいると思っていました。でも、現状は必ずしもそうではありませんでした。先生と満足にコミュニケーションを取れない児童生徒は、当然ながら授業も理解できないことになります。もちろん先生の負担も相当なものとなります。自腹で休日に手話サークルに通ったり、DVDを購入して勉強されたり、頭が下がる思いです。

先生に手話のスキルがあるとは限らない。
――先生たちは手話通訳士の資格を持っているわけではないのですか?
今井氏:
そうですね、ろう学校の先生が必ずしも手話のスキルを備えているとは限りません。この背景には、日本のろう学校では手話の使用を禁止されてきた歴史があります。聴覚障がい者が健常者と同じように音声言語で生活できることを目標に口話を用いてきたのです。
しかし、時代は変わり、国際的な条約や日本の法律でも手話は言語であるという記載がなされ、手話言語でのコミュニケーションを受け入れられるようになりました。ただ残念ながら、手話スキルを備えた先生を育成するシステムが整備されておらず、教育現場が社会の変化に追いついていないというのが現状です。

――専門性のある先生が少ないと、子どもにとっても厳しい環境となりますね。
今井氏:
東京都の特別支援学校の先生は、少なくとも6年に1回程度異動があるそうです。例えばろう学校で勤務したのち、異なる障がいの学校に配属されるというケースもよくあります。だからスペシャリストが育たないのです。

学校現場を救うため教員免許法改正を
――特別支援学校の先生になるには、特別な免許が必要ですね。
今井氏:
本来なら特別支援学校の先生は教員免許に加えて5つの障がい種に応じた特別支援学校の免許(視覚、聴覚、知的、肢体、病弱)が必要なのですが、必ずしも専門の障がい種の学校に配属されているわけではありません。実際、聴覚障がいの免許状保有率は57.3%にとどまり、半数近くは専門外の先生ということになります。

――こうした制度は変えていく必要がありますね。
今井氏:
先ほども述べましたが、子どもたちは苦労するし先生たちの負担も大きい。解決のためには、教員免許のあり方など国のシステムを根幹から見直す必要があります。今、教育職員免許法の附則によって、特別支援学校の免許がなくても“当分の間”は教壇に立つことができることになっています。私は期間を定めて段階的・戦略的に専門人材を育成し、将来的にこの附則を削除することが必要だと考えています。
聴覚障がいの秘書と職場環境を改善

――学校教育を終えると社会に出ていくことになりますが、日本の障がい者雇用は広がっていると感じますか?
今井氏:
企業が障がい者を雇用していこうという流れはとてもいいと思います。ただ、雇用しても受け入れ態勢や職場環境が整っていないところもまだ多いですね。
私は2021年1月から聴覚障がいのある方に秘書をやってもらっています。事務所では彼の座り位置を出入り口が視角に入りやすい配置にしたり、ほかの秘書と音声文字変換アプリを使ってコミュニケーションをとっています。大事なことは、当時者と話し合いながら職場環境を改善していくことですね。遠隔手話サービスの導入も検討しています。

――コロナ禍においては、障がい者の雇用環境も厳しさを増していますね。
今井氏:
2020年11月の参院本会議でも訴えましたが、2020年4月から9月の半年間で障がい者の解雇は約40%増加しています。中でも知的障がい者の解雇は80%も増加しています。

現在はハローワークを通じて障がい者の雇用に対する助成等の制度がありますが、当事者の希望する職種とのマッチングがうまくいかなかったり、この制度を使わずに障がい者を雇用している事業者との不公平など、課題はあります。これらの課題を解消し、障がい者雇用をさらに促進し、障がい者の社会参加が一層広がるように頑張っていきたいです。

――ありがとうございました。
インタビュー後記:
参議院では本会議場にスロープができたり手話通訳が導入されるなど、バリアフリー化が進められている。しかし、今井さんは「今後は100%バリアフリーを目指しています」という。
障がい者との共生社会を実現するためにも、まずは政治家自らが実践する姿勢を示す。今井さんのチャレンジは今後ますます加速するはずだ。

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