<東京2020>パラ開幕あと半年 陸上夫婦、夢は一つ 「息子に金メダルを」
今日の東京新聞に掲載されたので、紹介します。
東京新聞
下記に原文引用。
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目の見えない妻と耳の聞こえない夫。同い年の二人は、ともに世界で戦う陸上選手だ。東京パラリンピック開幕まで半年。日本代表に内定した高田千明さん(35)=東京都港区=は、夫の裕士さん(35)と支え合いながら「一人息子に金メダルをあげたい」という夢に向かう。 (神谷円香)
二〇〇八年に結婚して以来、互いの目となり、耳となってきた。先天性の病気のため、十八歳で文字が見えなくなった千明さんは、重い難聴の夫に音声を手話で伝える。出掛ける時は、白杖(はくじょう)を持つ千明さんの腕を裕士さんが取り、階段で優しく誘導する。長男の諭樹(さとき)君(11)も手話で意思疎通を手伝う。
千明さんは幼いころから走るのが得意。大学から陸上を始めた裕士さんとは〇六年、都代表として出場した全国障害者スポーツ大会で出会った。千明さんはパラ、裕士さんは聴覚障害者スポーツの最高峰、デフリンピックを目指した。
結婚して諭樹君を出産後、千明さんは「子育てを理由に諦めたくない」と短距離走で一二年ロンドン大会を目指すも届かず。可能性を広げようと翌年、走り幅跳びを始めたのが転機になった。初出場のリオデジャネイロ大会で8位に。昨年の世界選手権は4メートル69の日本新記録で4位に入り、東京大会代表に内定した。自宅では互いの競技について話すことは多くないという。それでも千明さんは「(裕士さんが)いいトレーニングやジムがあるよ、と教えてくれる。見えている分、情報量が多いので」と感謝を口にする。助け合う姿勢もさりげない。
二十五日で東京パラリンピックまであと半年を迎える。二人はそれぞれ願いがある。千明さんは講演やイベント出演の依頼を多く受けており、所属会社も活動を理解してくれる。「パラリンピックが東京に決まってから、障害者の意見に社会の意識が向いてきた。それが続けば良いな」
複雑な思いもある。講演などに同行する裕士さんにも「パラリンピック、頑張って」と声がかかるが、パラには聴覚障害クラスはない。裕士さんはアスリート契約を結ぶために約五百社に履歴書を送るなど、聴覚障害者スポーツの厳しさを知る。裕士さんは東京大会を機に「デフリンピックにも目を向けて」と話す。
千明さんは本番に向けて順調に調整中。四大会連続となる二一年デフリンピック出場を目指す裕士さんと補い合って歩む。目指す大会は違えど「夫婦で世界一のアスリートに」。夢をかなえる舞台は刻一刻と近づいている。
<たかだ・ちあき> 東京都出身。都立文京盲学校専攻科卒。全盲クラスの走り幅跳びで2016年リオデジャネイロ・パラリンピック8位、17年世界選手権銀メダル。ほけんの窓口所属。
<たかだ・ゆうじ> 東京都出身。横浜国立大卒。400メートルから400メートルハードルに転向し、デフリンピック2013年ソフィア大会で55秒99の日本新を樹立。17年サムスン大会8位。トレンドマイクロ所属。
<デフリンピック> 1924年にパリで開かれた聴覚障害者の国際大会が始まり。後発のパラリンピックと80年代に一体化する動きもあったが、独創性を重んじて現在に至る。パラリンピックと同様、夏季と冬季の大会が4年に1度ある。2017年の前回夏季大会は陸上、水泳、サッカーなど21競技が行われた。日本は25年夏季大会招致を目指している。
(東京新聞)
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デフスポーツの認知度がまだ低いけれど、
2025年のデフリンピック日本開催に向けての
動きが見え始めつつあり、今後の動向を注視したい。
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